2008年11月17日月曜日

WCG2008つれづれ:暴力表現との折り合い



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ITメディアの記事にも書いたけど、WCG2008の本戦が開催されたドイツのケルンでは、厳密にゲームに対してのレーティングが行われている。


ゲームショップでも、ショップスタッフによる年齢確認および、ゲーム内の表現(たとえば、これは銃で撃ち合う描写がある、あるいはセクシャルな表現がある)などを口頭で説明してくれる……少なくとも自分がいったショップではそうだった。


WCG内でブースを出していたドイツのゲーム学校のスタッフに聞いてみたところ、ドイツの中でもゲーム肯定派と否定派で大きく2つに分かれているらしい。ちなみに、ケルンの市長はゲーム推進派で、今回のWCGグランドファイナルや、ヨーロッパ最大のゲーム展示会、ゲームズコンベンションの誘致に成功している。





上の写真は、カウンターストライク、HALO3、バーチャファイター5の試合会場。


ここに入るためには、選手・観客・プレスを問わずパスポートなどの年齢確認証が必要で、ごつめのボディガードが必ずIDの提示を求めてくる。(1日に何度も通ってるんだから顔パスでいいじゃん、と思うのだが、そこはそれ、ということで)


ある種、非常にわかりやすい、良くできあがったモデルといえるだろう。


ただし、タイムテーブルによって閑散としている時間もあり、イベント会場として「あいている場所」が生まれていることや、時間帯によっては盛り上がりに欠ける印象を与えてしまうことは否めないが。







では、日本ではどうか。


日本のレーティング機構CEROはNPO法人であり、その規定に厳密な法的拘束力は存在しない。特に、オンラインPCゲームタイトルの多くはCEROに加入していないため、レーティングを表記していないものも多くある(NPO法人CEROへの加入は当然ながら任意だからだ)。


ただ、今後、e-sportsを含め、ゲームの大会においても、何らかの形でレーティングにそった形での運用が求められてくるのではないだろうか、と今回の一連のWCG運営にあたって考えさせられた。


「このゲームはやってもいい」あるいは「これはまだ君には早い」という判断を下すのは本来その保護者がやるべきことであると思うのだが、それもまた難しい話だ。


こういった表現に対して、即座に法的な規制をするべきではないとは思うし、それが何歳以上ならばよくて、何歳以下はよくないという判断もなかなかしづらいところでもある。


たとえば、銃で撃つと体から赤い血が出る、銃で撃つと体から緑の血が出る、撃つ相手は人間、撃つ相手はエイリアン、撃ったら体が吹き飛ぶ……このそれぞれに、「この表現は何歳未満」なんてなかなか決められないだろうし。





e-sports的なものを今後推し進めていくにあたって、そこをどういう風に解決していくのかも重要な課題になっていきそう。


参考までに、エンターブレインの浜村氏が父親からの目線でレーティングについて語っている書籍がここの真ん中らへんにあるので、興味がある方はどうぞ。





とはいいつつも、具体的に来年以降どうすんの?みたいなところで結論が出ているわけではないので、現時点では例によって情報を集めつつ、他の国の事例を調べたりとかそんな感じになりそうだけど。


レーティングは本当に難しい。





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