さて、まずはこのページにあるプロモーションムービーを見てもらいたい。(サイトはIEでのみ動作する模様)
2000年から開催されている世界ゲームオリンピック「WorldCyberGames(WCG)」。
昨年はサンフランシスコで開催され59ヶ国から642人の選手が参加、世界最大規模のゲームトーナメントイベントとなった。5回目の開催となる今年はIT大国のシンガポールで11月に本戦が行われる。
まず、目を瞠るのが賞金の規模。9タイトルで開催されるWCGの総合賞金額は42万USドル(約4600万円)と、松井がこの前参加したEVOとはまさに「桁違い」だ。
採用されているタイトルはPCゲームから6タイトル、コンシューマゲームから2タイトル、スペシャルトーナメントとして、PCゲームがもう1タイトル。
■PCゲーム
Counter Strike Source (日本予選開催タイトル)
FIFA Soccer
Need for Speed Underground 2
StarCraft Brood War
WarCraft III: The Frozen Throne
Warhammer 40,000: Dawn of War
■コンシューマゲーム(Xbox)
Dead or Alive Ultimate (日本予選開催タイトル)
Halo 2
■WCGスペシャルトーナメント
Freestyle
FPSが2タイトル、RTS(リアルタイムストラテジー)が3タイトル、スポーツが2タイトル、そしてレースゲームと格闘が1タイトルずつとなっている。
ここでひとつ、あることに気がつかないだろうか。
これらのゲーム、「日本ではほとんどプレイヤーがいない」ことに。
「人気がない」のではない。日本でもこれらのタイトルをバリバリプレイしている人もいるし、シリーズ最新作が発売されれば、必ず購入する人もいる。
しかし、いずれも日本で「ヒットの基準」のひとつとされる「ミリオンセラー」のタイトルでは、ない。おそらく、この中で最も売れているタイトルは「Dead or Alive Ulitimate」の推定販売本数5万本程度ではないだろうか。「だってPCだから」とか「Xboxじゃあ……ねぇ」という問題ではなく、世界規模の大会でこれらのタイトルが採用されている事実。
ここからはあくまでも松井の推量ではあるが、日本では90年から始まった対戦格闘ゲームのブームがあった。しかし、それをさらに昇華するような受け皿を作ることができなかったため、つまり「対戦ゲームプレイヤーのモチベーション」を保ち続けることができなくなったため、対戦モノの文化は衰退していったのではないか、と考えている。
タイトルによる向き不向きは往々にしてあるとしても、決して「ゲームが面白くなくなった」わけではなく、ただプレイヤーが「ゲームを楽しめなくなった」のではないか、プレイすることによって引き換えにされる「お金」や「時間」が「ゲームを純粋にプレイすることの楽しみ」だけでは補えなくなってきたのではないか、と。
特に、対戦ゲームの場合は一人用のものとは異なり、「勝てなければ負ける」という単純なルールがある。
「勝つためには練習が必要」という最初の関門に対して「game」を「遊戯」として見ている人は「なんでそんなことが必要なんだ?」という疑問を覚えてしまうだろう。
WCGの「game」は「競技、勝負」としての「game」のニュアンスに近い。ありとあらゆる競技には練習が必要であり、誰かと競わなければ勝利は得られない。
そういう意味もあって、現在日本で「e-sports」という言葉を普及させようとしているのではないだろうか。
日本のお家芸の一つである「ゲーム」。
ここいらでひとつ、世界規模の競技として完成されたタイトルを送り出してみる、というのも悪くはないんじゃないか。ハイクオリティなグラフィックやサウンドばかりを追求したタイトルではなく「100年後も遊ばれ続けるビデオゲーム」の形をそろそろ見てみたい、そんな気がする。
WCGについては、今後も追いかけていく予定。
この件について、みなさんの声をぜひ聞いてみたいです。
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