2006年2月23日木曜日

e-sports、気になるところ



世界最大のゲームトーナメント、WorldCyberGames2006の種目が発表された(こちら)。


PCゲーム: 6種目


1)StarCraft(R): Brood WarTM - RTS


2)Warcraft(R)?: Frozen Throne -RTS


3)Half-Life(R): Counter-Strike 1.6 - FPS


4)Warhammer(R) 40,000: Winter Assault - RTS


5)FIFA Soccer 06(TM) - Sports


6)Need for Speed(TM): Most Wanted - Sports (Racing)


コンソールゲーム: 2種目


7)Dead or Alive(R) 4 (Console /Xbox 360) - Action


8)Project Gotham Racing(R) 3(Console /Xbox 360) - Sports (Racing)


PCゲームからはRTSが3種目、FPS、スポーツ、レーシングが1ずつで計6種目、コンシューマからは対戦格闘と、レースが1ずつの計2種目。


どの国で、どのタイトルの予選が行われるかは未定とのことだが、日本では8月に予選を開催するとの見通し。


昨年の開催タイトルと比較してみると…。


【PCゲーム】 : 6種目


1) StarCraft: Brood War RTS  → そのまま


2) Warcraft?: Frozen Throne RTS  →そのまま


3) Warhammer 40,000 : Dawn of War - RTS →バージョンアップ(Winter Assault)


4) Counter Strike: Source FPS  →バージョンダウン(1.6に)


5) FIFA 2005 - Sports  →バージョンアップ(FIFA Soccer 06(TM) )


6) Need for Speed : Underground 2 Sports →バージョンアップ(most wanted)


【コンソールゲーム】 : 2種目


7) Halo 2 (Console/Xbox) - FPS →削除


8) Dead or Alive Ultimate (Console /Xbox) Action →バージョンアップ(4)


StarCraft、WarCraftはバージョン変更せず(というか、新シリーズが存在しない)、WarHammer、FIFA2005、Need for Speed、Dead or Aliveはバージョンアップ、CounterStrike(CS)はバージョンを前のものに戻すことになった。


バージョンアップについては違和感がないが、CSがバージョンを前のものにした、ということにやや驚きを感じる人も多いのではないだろうか。


これは、大会で採用されるものは常に最新であるべき、というソフトウェアメーカー側の常識とは違う場所にWCGが位置づけられているからだと思われる(日本国内、あるいは世界大会において、ソフトウェアメーカーはスポンサーに入っていないことからもその方向性は伺える)。


今回のこの決定はバージョン1.6で大会を行ってほしいというユーザーの声を受けてとのことではあるが、この決定については、今後イベントに大小様々な影響を与えていくことになるだろう。ソフトウェアメーカーからのスポンサードを切り捨てることによって、純粋な「大会」としてイベントが成立していくという流れもあるだろうし、その分イベント運営側は「イベントの魅力」のみで勝負をしていかなければならない。


1998年に発売された「StarCraft」が今なお正式種目としてノミネートされ続けているところも気になる。「StarCraft」は韓国のPC房ブーム、プロゲーマーブームの火付け役として大きな功績があった。経済波及効果は2003年で1兆1000億ウォンを超えるともいわれ、現時点でもその影響は計り知れない。


しかし、このタイトルが依然採用され続けていることに、一つの疑問がある。リアルタイムストラテジーはそれ以降、何作も新作が販売されており、その中には良作といわれるものもある。


ここで、少しうがった見方をしてみよう。2000年前後、PC房の開店には国策で補助金が出されていたという。そのころに開店したPC房のPCスペックが新作ゲームに耐えられなくなってきたのでは、というものだ。


そういった見地にたつと、韓国の「カジュアルゲーム」ブームも頷ける。過度なPCスペックを要求することなく、気軽にゲームを楽しめるものを定期的に供給し続けるビジネスモデルの展開だ。


2003年時点で二万店舗以上あったといわれているPC房にもやや陰りが見えてきている。2005年時点では店舗数が減少を始めているとの報道もあった。


あくまでも自分の推測でしかないが、現在の韓国ではPC、モニターなどのスペックアップ競争から脱落していく店舗が増えていく時期にあるのではないだろうか。


これは、自分がインターネットカフェで広報をしていた時に経験していたのだが、「顧客はその時点の最高スペックのサービスを、最低の価格で要求する」。PCゲームをメインコンテンツにしているインターネットカフェは常に競争の渦中にいるわけだ。


新型のCPUが発表されるごとに、メモリが、ビデオカードが、どこか他の店舗に導入されるたびに、顧客は流れていく。


無論、そのほかのサービス(数値として確実なものを出せない「居心地」や「雰囲気」)で固定客をつかもうとするやり方も長期的にはあるだろうが、時間いくらで切り盛りしている店舗にはそんな余裕もなかなか無い。


日本でPC房的な展開がなかなかうまくいかないのは、正確にいえば、漫画喫茶の方が儲かるのは、すべてがここに起因する。


最高スペックのPCを10セット用意して、半年、あるいは一年ごとに最新のモデルにパーツを交換していくとしよう。ここでは仮にPCを25万、交換部品コストを一年に15万とする。一台あたりのコストが40万円、それが10セットで400万。


この金額ならば、数万冊の漫画が購入できてしまう。しかも、こちらは完全に汚損ないしは紛失するまで半永久的に使用可能で、専門的な知識もいらない。


もちろん、PCのサプライヤーとの共同事業であるとか、導入コストを引き下げる方法はいろいろとあるだろうが、これも生半可な努力では続かない。


今現在、坪単価いくら儲けるために、ではなく、なんらかの意志(e-sports普及であったり)がなければ、PC房風のインターネットカフェを経営するのは難しいのではないだろうか。


話がそれてしまった。


韓国にはしばらく行っていないのでなんとも言えないが、もし現在の店舗数減少がこれに当てはまるのであれば、国の支援がなければPC房事業はかなり苦境に立たされるのではないだろうか。


ただ、これを乗り越えれば次世代型コンテンツを快適に動かせるマシンがPC房に行き渡ることになり、ハイスペックを要求するソフトのブーム、ひいては競技的な盛り上がりも見えてくるのではないか。


あくまでも推測でしかないが。


ちなみに、自分がコンシューマ機でプロゲーマーを立ち上げようとしているのは、ここに理由があったりする。





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