2006年2月17日金曜日

「戦後名編集者列伝―売れる本づくりを実践した鬼才たち」



新潮社の怪物、といわれた「斎藤十一」氏の足跡をたどりたいと思い立ちいろいろと探していたところ、最初にこの本に出会った。


戦後、さまざまな雑誌が立ち上がり、そして消えていった。その中でもひとつの時代を作り上げた人々にフォーカスを当てていくというもの。


ちなみに、著者の櫻井秀勳氏も著名な作家を輩出した名編集者の一人だという。不明を恥じなければ。


お目当ての斎藤十一氏の項を読み、さらに氏への興味がふつふつと湧き上がってきた。


いろいろと探してみようと思いながらも、なかなかインターネットだけでは情報を集めることができない。その人の表層的な部分はインターネットだけでも拾えるのだが、そこから一歩進もうとすると、書籍を探し、雑誌のバックナンバーを漁ることになる。


これもまた、楽しいのだが。


他の項を読んでいるときに、こんな言葉に出くわした。


ある雑誌内でタイアップ記事(ページを企業に売り、その広告費用で利益を取る方法)という企画が出てきたとき、「それは雑誌の売春行為であるからするべきではない」と強硬に反対した編集者がいるという。





当たり前のようにタイアップ記事を載せている雑誌からライターを始めた自分にとってみれば、目からウロコの一文。編集部的にもタイアップ記事をとったら「でかした!」という風潮もあった。


作りたいのは雑誌なのか、カタログなのか。





品質が売り上げと比例しないのは、いつの世も悲しい。





0 件のコメント:

コメントを投稿